今回はスーパーをはじめとした小売業が使っている、商品を買ってもらうテクニックを紹介します。
みなさんが良く利用する小売店はどこでしょうか?スーパーやアパレルなど小売といってもさまざまですよね。
実は小売店の売り場には目的を持って陳列やレイアウトが考えられています。その中でもあなたが知らないうちにお店側の意図に乗せられているかもしれないテクニックなどをご紹介していきます。これらはお店の儲かる仕組みと言っても過言ではないです。今度お店に行ったときに意識して見てみると面白いと思います。普段のスーパーが一味違って見えるかもしれません。
Contents
スーパー小売店による心理戦略と行動操作
スーパーや小売店にはより商品を買ってもらいやすい売り場を作ることに心血を注いでいます。
そこには理論や統計などに基づいた法則を用いたテクニックが多用されています。あなたも知らないうちにこのテクニックにハマってしまっているかも知れません。知っておくと日頃のお買い物がもっと興味深いものになると思います。
買ってもらうための売り場
売り場には実は名前がありそれぞれの役割があります。代表的なもの2つを紹介します。
おそらくよく目にしているので「あーあれかあ!」となると思います。
プロモーション
プロモーションとは独立した島のような売り場です。よくスーパーとかでお菓子や洗剤なんかが積まれているのを見たことがあるかと思います。
この売り場は商品を大量陳列させて目立たせる目的があったり、ついで買いを狙っていたりします。
夏物、冬物など季節の商品が置いていたりもしますね。季節品は早期に展開して販売することで、お客のその年最初の購入を狙います。
どういうことかというと、例えばカイロや暖か肌着などを例にします。これらの商品は食品のように毎日買うような商品ではないですよね?一度買ってしまえばしばらくもちます。カイロにしても一個買えば数十個入りの物もありますし、肌着はワンシーズン着れますよね。他にも下手したら一年に一回しか買わないような商品もあるわけです。だからこのように購入頻度は低いが購入する人が多い商品を売るためにプロモーションや後述するエンドで目立たせ認知してもらおうとします。また商品やPOPを数カ所に展開し認知度を高めることでザイオンズ効果を狙えます。ザイオンズ効果とは同じモノや人に何回も会ったり見たりすることでその対象に良い印象を持つことを言います。結果購入につながりやすくなると言うことです。
エンド
その名の通り商品棚の終わりに位置するからEND=エンドと呼ばれます。
通路沿いに面した売り場ですね。ここにも商品を大量陳列したり目立たせる目的もあるのですが、コンセプトを持っている売り場が多いです。
チラシ商品を大量陳列している場合も多いですが、その中でも同じカテゴリーの高機能商品や併用づかいをすることでメリットが得られるような陳列をしていたりします。鍋がコンセプトのエンドならば一緒に締めの麺を置いてみたり、高級な鍋つゆを置いてみたりと言った具合です。消費者に新しい提案をする売り場と言っても過言ではないです。
みんなが買いたいものは一番奥にある
ここからは小売業が駆使している消費者に買ってもらえるテクニックを紹介していきます。
みなさんスーパーでは何を買いに行きますか?
基本は肉魚野菜などの食料品などになるかと思います。思い出して欲しいのですが概ね目当ての商品、生鮮産品や冷凍食品、お酒って店の奥側にあったりすることが多くないですか?
これらは購入頻度が多くそれ目当てで来る消費者も多いので、実はわざと奥の方に配置しているのです。
そこに辿り着くまでの間にさまざまな商品を配置することで、「シャンプーの詰め替え買わなきゃ」「この新商品気になる」「お菓子買っちゃお!」と購買意欲をかき立てて購入につなげるのです。あなたは全く買うつもりのなかった商品を買っちゃうことはありませんか?それはこの配置テクニックのせいかもしれません。
人の動きをコントロールするワンウェーコントロール
70%の買い物客が自然に通る道を主通路と言います。
購入頻度や目的買いが多い商品を主通路沿いに配置することで主通路を歩かせる技術をワンウェーコントロールと呼びます。
主通路の歩数を増やせば増やすほど商品の購入につながります。ついで買いや、衝動買いを誘発しやすくなるということです。
人を引きつけるマグネットという概念
マグネットという概念があります。買い物客を磁石のように惹きつける魅力ある売り場のことをこのように呼びます。
例えば冷凍食品や生鮮産品などはこのマグネットに該当します。
上の図のようにマグネットが四隅にあれば店を一周するように誘導できます。
こうすることで店内をより歩かせることができ、買上げ点数をあげることができます。この一周の長さが長ければ長いほど売り上げは高くなる傾向にあるようです。あなたも知らない間に引き寄せられ一周を回るうちに当初の予定には無いものを買っているのではないでしょうか?もちろん新しい商品に出会うことで得られる経験や満足感にも繋がるのでメリットにもなり得ます。
売りたいものは目線の高さに配置するゴールデンゾーン
売りたい商品は目線の高さに配置されていることが多いです。
女性の目線の位置から約30度下の範囲がゴールデンゾーンであるとされています。単純に視界に入りやすく目に止まりやすい範囲と考えてもらえればいいと思います。反対に棚の最上段だったり、最下段の商品は目につきにくい傾向にあります。そのため棚の真ん中に位置する商品は新商品であったり、売り込みをかけている商品である可能性が高いです。
買い物かごやカート利用は買いすぎに注意
買い物かごやカートって便利ですよね。お店側も買い物しやすいように設置しているわけですが、裏の目的として買上げ点数を上げるためにも設置しています。
特にカートは使用した際に移動速度が落ちるため、ゆっくり店内を回ることになります。マグネットにも引き寄せられますし、ゴールデンゾーンの商品も視界に入りやすくなるため商品を手に取る回数も増えます。結果として買上げ点数が上がりやすくなると言うことです。「いつも買いすぎてしまう・・・」そんな方はあえてカートを使わないのもありかもしれません。
この記事のまとめ
これらの戦略を知っていると小売店の見方がだいぶ変わります。
売り場はただ適当に商品を並べているのではなく、きちんと理論やデータに基づいて作成をしているのです。その中にはより商品をたくさん買ってもらうための心理的な戦略や行動をコントロールするためのテクが多く存在しています。もし、いつも衝動買いをしてしまっていて改善したいと思っている方がいればこの仕組みを知っているだけでも主通路を極力避ける、カートは使わない等対策ができます。
この記事を読んで少しでも小売業に興味を持ってもらえれば幸いです。